NEWS019:宇都宮会場の閉幕 18.06.2018

ボンソワール(こんばんは)!皆さん。おかげさまで昨日、宇都宮美術館での「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」展が無事終了しました。今日から館内では、次の三重県立美術館への巡回に向けた撤収作業が始まっています。
2018年4月29日(日・祝)~6月17日(日)、計43日を数える開館日を通じて、われらがサヴィニャックは、多くの観覧者の皆さんに向けて、スケッチや原画を生み出す自身の創造的なインスピレーション、1950~1960年代におけるポスター制作のノウハウとともに、これらの本質――「コミュニケーション・デザイン」とは何か、の片鱗をお伝えできた、と天国で喜んでいることでしょう。

1949年5月20日、サヴィニャックは、パリのメゾン・デ・ボザールで、自主制作のポスター原画による二人展「ヴィルモとサヴィニャック ポスター展」のオープニングを迎えましたが、その時、自身の作品が、すぐさま「ヴィジュアル・スキャンダル」として世の中を震撼させ、また、69年後の日本で、これほど熱心に観覧されるとは、想像もしなかったに違いありません。それほど当時の彼は無名で、しかし未知のクライアント、後世の人々にメッセージが共有される、という信念を持って、こつこつと原画を描き溜めていたのです。この二人展は、青天の霹靂に近い成功をサヴィニャックもたらし、早くも二年後には、傑作シリーズの一つにして、サヴィニャックの特質が遺憾なく発揮されている《ビック:走る、走る、ビック・ボールペンが走る》(1951年)が誕生しました。ちなみに本作は、当館でも所蔵しており、子どもたちに向けた学習教材『宇都宮美術館デザイン・キット deli.』[ワークシート&テキスト編]で取り上げています。「Q&A」方式で「デザインを分かりやすく学ぶ」この教材では、《ビック》を題材に、次のような問い掛けをしています――

「走る人やボールペンは、なぜ本物の写真ではないのでしょうか。さし絵でしか伝えることができないものは、何だと思いますか。」

これに対する「解説」(答えではなく、考えてもらうための手掛かり)として、

「一枚のポスターを作るには、もっとも効果があるイメージ(絵柄)、テキスト(文面)、その組み合わせを練らなくてはいけません。これを芸術的な目で監督するのがデザイナーの仕事です。柄や模様、写真、コピーライター(宣伝文を作る人)が考えたキャッチフレーズ(人の注意を引くように考えた短い宣伝文)にふさわしい文字、その並び方を工夫するのです。ボールペンを宣伝するこのポスターでは、イラストレーター(さし絵画家)でもあるサヴィニャックが、ユーモラスなさし絵、手書きのような文字、全体のデザインを手がけました。大きなボールペンとキャッチフレーズ、走る男性がひとつになって、この商品がなめらかに書けることを分かりやすく示しています。「elle court, elle court」という文は、そのまま訳すと「それは走る、それは走る」(注1)ですが、フランス語の「ボール(ペン)」は女性名詞なので(注2)、それ(elle)は「彼女」とも読めます。「彼女」をだきしめようと追いかける人の姿には、さし絵でしか表せないおかしさとあじわいが感じられます。」

を付しました。

「ポスター原画」「ポスター作家」という言い回しは、子どもたちには少し難しいので、ごく平明に「さし絵」「デザイナー」としましたが、肝要なのは、絵の魅力、ポスターがイメージとテキストから成るものであること、そしてポスター作家やグラフィック・デザイナーは、その組み合わせを芸術的に高め、メッセージを伝える仕事である、という点に尽きます。コミュニケーション・デザインの基礎を、子どもたちに、もちろん大人にも知ってもらうために、サヴィニャックの作品は、極めて優れた事例になり得る、として良いでしょう。

《ビック》だけではありません。本展の出品作品は、いずれも「デザインに初めて触れる」「ポスター理解の入門」に打って付けです。ついては、6月30日(土)から三重県立美術館で、ぜひご高覧いただければ幸いです。その後、10月末には兵庫県立美術館来年の1月初めになると広島県立美術館へも、サヴィニャックがやって来ます(注3)。どうぞお楽しみに!(完)

(注1)このキャッチフレーズは、フランスの童謡「il court, il court, le furet」(走る、走るイタチくん)をもじっっています。ちなみに「furet」(動物のイタチ)は男性名詞のため、童謡では、「それ」が「elle(女性名詞を受ける人称代名詞)ではなく「il(男性名詞を受ける人称代名詞)」になっています。
(注2)厳密に記すと、フランス語の「bille」(ボール)は女性名詞ですが、「stylo à bille」「stylo-bille」(どちらもボールペン)は男性名詞。また、フランスの世界的なボールペン・メーカーで、本作のクライアント「Bic」(社名)に由来する「bic」もボールペンを意味し、やはり男性名詞です。
(注3)本展の巡回情報は、こちらをご覧ください。

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end of Utsunomiya venue

TOPICS020:見どころ紹介+ショップ情報 その④ 31.05.2018

ボンジュール!皆さん。梅雨入りも間近い5月末日となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
前回の「見どころ紹介」では、「壁に多数のポスターが並ぶ空間」に変化をもたらす「展示ケース」に目を向けたので、引き続きその中身を取り上げたいと思います。

まず、4期にわたって「めくり公開」を進めている2冊のスケッチブックのうち、大きい方(左側)は、最晩年に手がけた肉筆の仕事を確認できる点で、きわめて貴重です。但し、テーマが多岐に及び、必ずしも最初のページから順を追って使ったわけではなく、別の紙に描いたスケッチの貼り込みや、裏表紙側から逆さまに使われた形跡、途中に空白のページも見られるため、年代には幅があります。そのなかで、3期目の現在展示中《「ガリアの雄鶏大統領と一緒のジャン・ピエール・シュヴェーヌマン」スケッチ》(より正確に記すと「ジャン=ピエール・シュヴェーヌマンとフランスの象徴・ガリアの雄鶏」スケッチ)、

並びに第4期(6月7日~6月17日)に公開予定の《「マリアンヌ大統領と一緒のジャン・ピエール・シュヴェーヌマン」スケッチ》「ジャン=ピエール・シュヴェーヌマンとフランスの象徴・女神マリアンヌ」スケッチ)は、2002年4月頃の制作と推測されます。この年、フランスでは大統領選挙が行われ、第一回投票(4月21日)の候補者の一人がシュヴェーヌマンでした。サヴィニャックの逝去が同年の10月29日だったことを鑑みると、まことに感慨深い作品と言えるでしょう。

同じ展示室内の別コーナーにおいては、「パリの街角のポスター掲出」を思わせるランダム展示を試み、壁の手前のケースは、繁華街のショー・ウィンドーに見立てました。すなわち、サヴィニャック自身が指摘した「ポスターは賑やかな市井で見るもの」という境地に少しでも近づけるべく、作品の高さや間隔に規則性を持たせず、見づらくならない程度に自由な配置としています。

また、概してショー・ウィンドーよりも大きかったフランスのポスターの華やぎと、これらから派生した小さなノヴェルティの持つ意味、その魅力を、「高い壁と小ぶりのケースの関係」で見せる工夫を図りました。なお、今日のコミュニケーション・デザインの場合、特定の商品、ブランド、企業などのグラフィックは、ロゴマーク、書体、カラー・スキーム、キャラクターその他が、厳密なルールによってトータルに管理されていますが、サヴィニャックの時代、とりわけ彼の仕事では、非常にゆるやかです。従って、ノヴェルティのデザインに、どこまでサヴィニャックが関与したのかは定かではなく、事例によっては、明らかに「après Savignac」(サヴィニャックに基づく)と記されているものもあれば、別の手で「デザイン展開された」と感じられる作品も存在するのです。


とは言え、ボールペンの「BICに関しては、サヴィニャックの原画、ポスター、そのヴァリエーション、ポスターから誕生したキャラクターには、トータル・デザインやCI(コーポレイト・アイデンティティ)の原初的なあり方が窺われます。

ノヴェルティこそ「après Savignac」であることがはっきりとしていますが、作家とクライアントによる統一的なイメージ戦略の成功を称えて、このコーナーでは、それが一目瞭然となる展示を実現しました。

そして、サヴィニャックの思想・実務・人柄――その生きた姿と創造を知っていただくために、二つの展示室をつなぐ「中央ホール」では、ドキュメンタリー映画「街路の人 サヴィニャック」(Savignac, homme de la rueを上映中。冒頭で紹介したスケッチブックと同様、彼の人生では最晩年の1986年(78歳)に封切りとなった見応えのあるフィルムで、壁に掲出したポスター、ケースに入れた作品・資料、これらに付した解説とキャプションとは違う観点で、皆さんに多くを語りかけてくれます。(監督=ダニエル・コスト=ランバール、助監督・インタヴュー=ダニエル・コスマルスキ、制作=アンナ・プロダクションズ、上映時間25分)
※展示室内で配布している出品作品リストは、こちらからダウンロードできます。

[本展グッズのご紹介]
ミュージアム・ショップから今回は、「飲食」にまつわるサヴィニャック・グッズ2点を紹介いたします。

●森永ミルクチョコレート(ポストカード付き):税込1,100円
文字通り《森永ミルクチョコレート》のポスター図案に包まれた小粒の板チョコが9枚、これにポストカードを添えたセット商品で、チョコは森永製菓謹製のホンモノの味。ちなみに同名のチョコは、1918年(大正7)に初めて発売、今日に至るロングライフ製品として知られています。

ガラス製ジョッキ:税込1,296円
《ブリュナは温まるビール》のポスター図案に基づくジョッキで、このビール(現「AMAブリュナ」)のようなエール系はもちろん、他のタイプのビール、ソフトドリンクにも打って付け。季節的にも、ぜひ手にしていただきたい商品です。(注)イメージ画像の「飲み物」「星空」は付きませんので、ご了承ください(笑)。

宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、サヴィニャック展の公式図録・グッズのほか、ショップ内の取り扱い商品を、
※通信販売+全国配送
いたします。
詳しくは、下記までお問合せください。
直通TEL.028-666-8585
E-MAIL:utm_ms@icloud.com

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TOPICS016:「サヴィニャックに捧ぐグラフィック」の設置 15.05.2018 ※6月14日 最終更新

サヴィニャックに捧グラフィック

本展が巡回する5つの美術館では、「サヴィニャックの大規模な回顧展をどのように広報するか」について、それぞれに工夫を図っています。テーマが「ポスター作家」「コミュニケーション・デザイン」だけに、各館の宣伝物を手がけたクリエイターの方々も、大いに発奮されたと思います。
同じテーマであっても、開催時期、ターゲットとなる来館者層、地域色、普遍性、クリエイター自身の独自な解釈などを反映し、ヴァリエーション豊かな宣伝物が生み出されるのは言わずもがなですが、とりわけ「デザインの歴史・巨匠」を扱う展覧会の「宣伝物のデザイン」は難易度が高く、種々のアイディアとチャレンジを試行錯誤する機会になる、として良いでしょう。
このことを鑑みて、本展の各館チラシ、並びに「サヴィニャックとデザイン史の本棚」でも取り上げた書誌も織り交ぜて、それらをヴィジュアルに紹介するページを設けました。内容は、随時更新いたしますので、どうぞお楽しみに。(6月14日 最終更新

●「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」(本展)
[図録] ※五館共通

 

練馬区立美術館+宇都宮美術館+三重県立美術館+兵庫県立美術館+広島県立美術館, 2018年
デザイン:岡田奈緒子+小林功二(ランプライターズレーベル
*使用作品
表紙:《ひとりでに編めるウット毛糸》(1949/1951年)
裏表紙:《1951年、パリ誕生2000年記念》(1951年)
透明カヴァーの両袖:「デクーヴェルト/発見」原画(1990年頃)
*図録の詳細はこちらをご覧ください

[展覧会チラシ]

 

練馬区立美術館, 2018年
デザイン:瀬戸山雅彦(website
*使用作品
表面:《ひとりでに編めるウット毛糸》(1949/1951年)

 

宇都宮美術館, 2018年
デザイン:岡田奈緒子+小林功二(ランプライターズレーベル
*使用作品
表面:《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)
*デザイナーによるコメントはこちらをご覧ください

  

三重県立美術館, 2018年
デザイン:平井秀和(ピースグラフィックス
*使用作品
表面(全4種):
《ドップ:清潔な子どもの日》(1954年)
《1951年、パリ誕生2000年記念》(1951年)
《ビック:新しいボール(スイス版)》(1960年)
《フリジェコ:良質の冷蔵庫》(1959年)

●書籍


Anne-Claude Lelieur, Raymond Bachollet, Savignac affichiste, Bibliothèque Forney, Paris, 2001
デザイン:ドミニック・トゥシャール+フレデリック・ルメール
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《『イル・ジョルノ』紙》(1956年)

  

(左)レイモン・サヴィニャック著, 橋本順一 訳 『レイモン・サヴィニャック自伝』 TOブックス, 2007年
装丁:日下潤一(blog)+長田年伸(たのしい文字と組版)+浅妻健司(website
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
(中)矢萩喜從郎 編 『レイモン・サヴィニャック』(『世界のグラフィックデザイン』 97巻) ギンザ・グラフィック・ギャラリー, 2011年
デザイン:矢萩喜從郎(矢萩喜從郎建築計画/キジュウロウヤハギ
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
(右)レイモン・サヴィニャック著, ティエリ・ドゥヴァンク編, 谷川かおる 訳 『ビジュアル版 レイモン・サヴィニャック自伝』 小学館, 2018年
アート・ディレクション:おおうちおさむ(ナノナノグラフィックス)|デザイン:伊藤 絢(ナノナノグラフィックス
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)

レイモン・サヴィニャック著, 小柳 帝 日本語版監修 『サヴィニャック ポスター A-Z』 アノニマ・スタジオ, 2007年
日本語版デザイン:茂木隆行(出版社による紹介
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《サヴィニャック展:於パリ・ポスター美術館》(1982年)

ティエリー・ドゥヴァンク 著, 藤原あき 訳 『レイモン・サヴィニャック:フランス ポスターデザインの巨匠』 ピエ・ブックス, 2006年
企画・アートディレクター:間嶋タツオミ(間嶋デザイン事務所)|デザイン:高橋健二
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《ドップ:清潔な子どもの日》(1954年)

山下純弘 著 『Raymond Savignac:AFFICHISTE』 ギィ アンティック ギャラリー, 2006年
デザイン:新納早都子
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《「トブラー・チョコレート」原画》(1951年)

●定期刊行物

GRAPHIS, Vol.19 No.109, Amstutz & Herdeg Graphis Press, Zurich, 1963
カヴァー・デザイン:レイモン・サヴィニャック
*雑誌の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:描き下ろしのイラストレーション(1963年)

『アイデア』 第45巻・第6号(通巻265号), 誠文堂新光社, 1997年
レイアウト:大江安芸+川村秀雄
*雑誌の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《「ウット毛糸」原画》(1949年)

●展覧会図録

『フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展』 西武美術館, 1989年
表紙デザイン:田中一光
レイアウト:ビセ
*図録の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:ピエール・メンデル+クラウス・オーバラー《サヴィニャック展:於ミュンヘン、ディ・ノイエ・ザンムルング》(1982年)

Raymond Savignac, Marc Lecarpentier (preface), Savignac – Projets et maquettes d’affiches, Galerie Marine Gossieaux, Paris, 1993
エディトリアル・デザイン:レイモン・サヴィニャック
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《『イル・ジョルノ』紙》(1956年)

『アフィッシュ・フランセーズ―現代フランスポスター50年の歩み』 アフィッシュ・フランセーズ展実行委員会, 2000年
デザイン:矢萩喜從郎(矢萩喜從郎建築計画/キジュウロウヤハギ
*図録の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《アストラル エナメルペンキ》(1949年頃)

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TOPICS006:「サヴィニャックとデザイン史の本棚」の設置 12.04.2018 ※6月18日 最終更新

サヴィニャックデザイン史の本棚

本サイトのトピックスで取り上げた書誌に加えて、展覧会の準備や図録制作で参照し、サヴィニャックとデザイン史を知るうえで役立つものを、一言コメント(*)付きで随時追加いたします。(6月18日 最終更新
基本的には、図書館、美術館、書店やオンラインで入手・閲覧可能な文献を中心としています。

●サヴィニャック関連

[カタログ・レゾネに匹敵する刊行物]

Anne-Claude Lelieur, Raymond Bachollet, Savignac affichiste, Bibliothèque Forney, Paris, 2001
*サヴィニャック存命中、最後の大回顧展となった「フォルネーのサヴィニャック」展[2001年9月11日(火)~2002年1月12日(土):於パリ市フォルネー図書館]の図録。全556ページのハード・カヴァー、ISBN番号入りの充実した書籍(洋書)で、サヴィニャックの業績について、これほど詳しい刊行物は他に類例がありません。スケッチや原画、ポスターとそのヴァリエーションなど、収録される作品点数・種類においてもずば抜けているため、現時点での「カタログ・レゾネに匹敵する刊行物」として、このコーナーの筆頭で挙げることにしました。
章立ては、サヴィニャックの生涯・活動紹介に始まり、「最初期の仕事」ほか26のテーマに分類した作品図版とそのデータ、年譜、展覧会、サヴィニャックによる他の刊行物のテキスト抜粋、テーマ別の索引、文献と続きます。ファンにも研究者にも必携の1冊、として良いでしょう。
*同書の中身は、pp.62-63p.202部分p.255 部分 ・pp.408-409・ pp.454-455 ・p.490部分を画像で紹介しています。

[書籍]

 

(左)レイモン・サヴィニャック著, 橋本順一 訳 『レイモン・サヴィニャック自伝』 TOブックス, 2007年
(右)レイモン・サヴィニャック著, ティエリ・ドゥヴァンク編, 谷川かおる 訳 『ビジュアル版 レイモン・サヴィニャック自伝』 小学館, 2018年
*幼少期に始まり、1960年代までを綴った半生記。日記調、回顧録、エッセイ風など、章によって記述が異なるところが面白く、サヴィニャックの人間味と、パリの街の活き活きとした描写に触れることができます。原著は下記で、日本語訳は2種類あります(左・右)。
Raymond Savignac, Savignac affichiste, Robert Laffont, Paris, 1975
(左)2007年版の特徴は、まず手頃な体裁(H192×W138×D30mm、ハード・カヴァー)で、このサイズ感、平易な1段組・縦書きのレイアウトが訳文の調子と合致し、散見にも熟読にも適しています。作家の生の声を伝えながら、軽過ぎない訳文には品位が感じられ、精査された図版・訳注とのバランスも良し。編集協力者として挙げられるティエリー・ドゥヴァンク氏(パリ市フォルネー図書館学芸員。サヴィニャック研究の第一人者・本展監修者)による「晩年のサヴィニャック」に関するエピローグの章は、情報ソースとしてのみならず、自伝の締め括りにふさわしい内容です。
(右)2018年版の特徴は、「ビジュアル版」と銘打たれる通り、何よりも図版の豊富さ、これに適する大判の体裁(H260×W182×D22mm、ソフト・カヴァー)。このサイズで2段組・縦書きは、紙質とも相まって、少し読みにくい印象ですが、「ムック本」と捉えるならば問題なく、訳文の調子や訳注の内容も同様と言えます。完全に「今風」な訳文は、読者の好みが二分されるのではないでしょうか。ドゥヴァンク氏の関わり方がいっそう深く、原著(1975年)・旧訳(2007年)から年代を経ているため、情報は最新のものに更新されています。

 

レイモン・サヴィニャック著, 小柳 帝 日本語版監修 『サヴィニャック ポスター A-Z』 アノニマ・スタジオ, 2007年
*サヴィニャック晩年の著作で、自身の精選作品にAからZで始まるキーワードを付し、軽妙な短文を添えた画文集。絵柄に直接関係する内容、まったく異なる観点のコメント、言葉遊びその他、読書家で文章も洒脱なサヴィニャックに触れることができます。
*アラン・ヴェイユ(ポスター史家)による作家紹介に加えて、日本語版には訳者のエッセイを追加。原著は下記となります。
Raymond Savignac, Alain Weill, Savignac: L’affiche de A à Z, Hoëbeke, Paris, 1987

ティエリー・ドゥヴァンク 著, 藤原あき 訳 『レイモン・サヴィニャック:フランス ポスターデザインの巨匠』 ピエ・ブックス, 2006年
*序文に始まり、1930年代・1940年代・1950年代・1960年代・1970年代・1980年代・1990年代~2000年代と編年的に組み立てた各章のなかに、多くの作品画像を散りばめ、作品解説とエピソードも織り込んだ充実の内容。巻末にはサヴィニャックの略年譜、掲載作品のデータ一覧が付されています。ティエリー・ドゥヴァンク氏(パリ市フォルネー図書館学芸員。サヴィニャック研究の第一人者・本展監修者)の執筆によりますが、フランス語版はありません(本書が原著)。

山下純弘 著 『Raymond Savignac:AFFICHISTE』 ギィ アンティック ギャラリー, 2006年
*サヴィニャック作品のコレクターとして知られる著者の所蔵品52点で構成。序文に始まり、作品画像・データと解説、巻頭にサヴィニャックの略年譜、巻末には国内外で開催された主なサヴィニャック展の一覧が付されています。

 

矢萩喜從郎 編 『レイモン・サヴィニャック』(『世界のグラフィックデザイン』 97巻) ギンザ・グラフィック・ギャラリー, 2011年
*ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された「レイモン・サヴィニャック展―41歳、“牛乳石鹸モンサヴォン”のポスターで生まれた巨匠」[2011年6月6日(月)~6月28日(火)]の出品作57点で構成。テキストは、編集・デザインを手がけた矢萩喜從郎(グラフィック・デザイナー)が寄稿し、巻末にはサヴィニャックの略年譜、掲載作品のデータ一覧が付されています。

[展覧会図録


『フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展』 西武美術館, 1989年
*会期・会場:1989年4月28日(金)~5月9日(火), 有楽町アート・フォーラム
*サヴィニャック作品34点(すべてポスター)による個展。
*図録テキストは、アラン・ヴェイユ(ポスター史家)、亀倉雄策(グラフィック・デザイナー)、坂根 進(アート・ディレクター)の三氏が寄稿。
*亀倉雄策のエッセイをお読みになりたい場合、下記「デザイン史関連」で挙げた『亀倉雄策の直言飛行』(2012年)にも収録されています。

Raymond Savignac, Marc Lecarpentier (preface), Savignac – Projets et maquettes d’affiches, Galerie Marine Gossieaux, Paris, 1993
*会期・会場:1993年9月18日(土)~11月30日(火), パリ、ギャルリー・マルティーヌ・ゴッシオー
*同名の個展(サヴィニャック:ポスターのためのスケッチと原画)に際して刊行された限定700部の図録(ポートフォリオ)で、過去のポスターと、これらに基づく再制作のデザイン画を対比させる、という内容。
*序文は、マルク・ルカルパンティエ(アート・ディレクター/編集者)による。
*今回(2018年)の展覧会に出品されている「再制作のデザイン画」は、この図録のための描き下しです。かなり以前に完成されたイメージを、作家自身が改めてグリッド上に描き起こす、という試みが興味深く、その分析は、次世代のデザイナーや研究者の糧となります。作品画像については、以下を参照。
《牛乳石鹸モンサヴォン》《ウット毛糸》《ルノー4》

『レイモン・サヴィニャック―パリの空のポスター描き』 サントリーミュージアム[天保山]+産経新聞社, 2005年
*会期・会場:2005年4月29日(金)~7月3日(日), サントリーミュージアム[天保山]|2006年9月16日(土)~11月5日(日), 川崎市市民ミュージアム
*サヴィニャック作品146点(ポスター、デザイン原画、絵画)による個展。
*エッセイ・論文に相当する図録テキストは一切なく、村上美香(コピー・ライター)による解説、サヴィニャックとアラン・ヴェイユ(ポスター史家)の共著『サヴィニャック:ポスターA to Z』の全訳で構成。

 

『サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法展』 練馬区立美術館+宇都宮美術館+三重県立美術館+兵庫県立美術館+広島県立美術館, 2018年
*本展の公式図録です。
*目次はこちらをご覧ください。
*改訂表はこちらをご覧ください。(03.07.2018更新)
宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、通信販売・全国配送いたします。詳しくは、下記までお問合せください。
ショップ直通TEL.028-666-8585
E-MAIL:utm_ms@icloud.com

●デザイン史関連

[書籍

Walter Heinz Allner, Posters, Reinhold Publishing, New York, 1951
*作家に焦点を当て、筆者であるアルナー以下、氏名のABC順に、51の個人・ユニットの仕事を作家自身の言葉と精選された図版で取り上げています。サヴィニャックは5点の作品画像(全4ページ)、ロベール・ドアノーによる写真《チェスをするサヴィニャック》、自身のテキストで紹介。
*作家の出身国・地域で見ると、イギリス、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、オーストリア、ハンガリー、チェコ、ポーランド、ルーマニア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、アメリカ、プエルトリコ、日本と幅広く、しかも活動の場を世界に置く人々を多数選出。ちなみにアルナー自身も、ドイツのデッサウに生まれ、バウハウス・デッサウで学んだのち、パリに出てジャン・カルリュのアシスタントとなり、フランス、スイスを経て、アメリカに本拠を移した国際派です。ドイツ=スイス派の構成的なスタイル、アメリカ的な手法をあわせ持ち、編集者としての経験を踏まえて、執筆にも長じました。
*1940年代後半~1950年頃のポスターの動向、作家のアプローチや思想をリアルに知るうえで、必携の一冊、として良いでしょう。

 

(左)北原義雄・アトリヱ社 編 『現代商業美術全集』 第二巻 「実用ポスター圖案集」 アルス, 1928年
(右)ゆまに書房 編 『現代商業美術全集 ゆまに書房版』 第2巻「実用ポスター図案集」 ゆまに書房, 2001年(アルス, 1928年の復刻)
*1928~1930年に刊行された『現代商業美術全集』(全24巻)は、欧米におけるコミュニケーション・デザインの歴史・理論・実践・最新状況を伝えるとともに、わが国での応用と展開、日本人作家の仕事もヴィジュアルに解説する当時の優れた「事典的教科書」です。
*全24巻の内容は――
第1巻「世界各国ポスター集」, 第2巻「実用ポスター図案集」(本書), 第3巻「世界模範ショーウィンドー集」, 第4巻「各種ショーウィンドー装置集」, 第5巻「各種ショーウィンドー背景集」, 第6巻「世界各国看板集」, 第7巻「実用看板意匠集」, 第8巻「電気応用広告集」, 第9巻「店頭店内設備集」, 第10巻「売出し該当装飾集」, 第11巻「出品陳列装飾集」, 第12巻「包紙・容器意匠図案集」, 第13巻「新聞雑誌広告作例集」, 第14巻「写真及漫画応用広告集」, 第15巻「実用図案文字集」, 第16巻「実用カット図案集」, 第17巻「文字の配列と文案集」, 第18巻「チラシ・レッテル図案集」, 第19巻「新案商標・モノグラム集」, 第20巻「小印刷物及型物図案集」, 第21巻「カタログ・パンフレット表紙図案集」, 第22巻「日本趣味広告物集」, 第23巻「最新傾向広告集」, 第24巻「商業美術総論」
復刻版には――
別巻「解説・月報・総目次・著者名作品ほか」
が付されています。
*連載記事「巨大ポスターをめぐって その①」で紹介した「巴里に於けるポスター掲出の情景」は、本書に収録。

商業デザイン全集編集委員会 編 『商業デザイン全集』 第5巻「作家篇」 ダヴィッド社, 1952年
*1951~53年に刊行された『商業デザイン全集』(全5巻)は、上記の『現代商業美術全集』(1928~30年)に似ていますが、網羅する内容を、より同時代的な視点でコンパクトに再編した「実用グラフィック・デザイン事典」として良いでしょう。
*全5巻の内容は――
第1巻「入門篇」, 第2巻「PR篇」, 第3巻「商品篇」, 第4巻「商店篇」, 第5巻「作家篇」(本書)
*サヴィニャックは、9点の作品画像(全3ページ、うち1ページはカラー)、ロベール・ドアノーによる顔写真、河野鷹思(グラフィック・デザイナー)の解説で紹介。
*1950年代は、グラフィック・デザインの理論・技法、世界の動向・作家をテーマとする和書が次々と刊行されました。これには、1951年に「日本宣伝美術会」(日宣美)の設立が大きな契機となっています。

 

マダム・マサコ著 『巴里案内』 講談社, 1957年
*戦後日本の服飾評論では草分けのマダム・マサコ(1916年生まれ。本名:松野正子/滝 正子)によるエッセイ集。筆者が留学した1950年代前半のパリの様子を、モード、美術、暮らしなどの観点から綴る内容で、見返し・裏見返しに、レイモン・サヴィニャックの《雑誌『ヴォーグ』のための「1951年、パリ誕生2000年記念」イラストレーション》(1951年)が掲載されています。
*この絵柄が、本展出品作品のポスター《1951年、パリ誕生2000年記念》(1951年)のヴァリエーションである点に注目。

勝見 勝 編 『世界の商業デザイナー80』 ダヴィッド社, 1958年
*作家に焦点を当て、「近代グラフィック・デザイナーの登場」と題されたテキスト以下、フランス、イギリス、スイス、ドイツ、イタリア、スウェーデン/オランダ/スペイン/ベルギー/デンマーク、アメリカ、日本の順に、80の個人・グループの仕事を豊富な図版で取り上げています。サヴィニャックは17点の作品画像(全3ページ、うち1点は巻頭カラー)、《コリー紙巻タバコ:旨いブレンド》を前にしたプロフィール写真、勝見 勝(デザイン評論家)の解説で紹介。

 

京都国立近代美術館 編 『フランスのポスター美術』 講談社, 1979年
*1978~79年に開催された「ヨーロッパのポスター:その源流から現代まで」展(京都国立近代美術館・東京国立近代美術館)の図録を書籍化したもので、二つの図録テキストに加えて、西脇友一(大阪芸術大学教授/グラフィック・デザイナー)、小倉忠夫(京都国立近代美術館学芸課長)による書き下ろしのエッセイも寄せられています。
*内容詳細は、図録の紹介欄をご覧ください。

 

Alain Weill, Marilyn Myatt (English translation), The Poster, G. K. Hall, Boston, 1985
*ポスターの始まり(近世)から1980年代までの世界ポスター史を綴る内容で、サヴィニャックは「1945~70年の諸相」の冒頭で紹介。フランス語の原著は下記となります。
Alan Weill, L’Affiche dans le monde, Editions Aimery Somogy, Paris, 1984

アラン・ヴェイユ著, 竹内次男 訳 『ポスターの歴史』 白水社, 1994年
*サヴィニャックを含む「フランスのポスター史」を学ぶための良き入門書。原著は下記となります。
Alan Weill, L’Affiche française, Presses Universitaires de France, Paris, 1982

フィリップ・B. メッグズ著, 藤田治彦 日本語版監修 『グラフィック・デザイン全史』 淡交社, 1996年
*先史時代まで遡って「視覚伝達」の歴史を編年的に論じる内容。全25章のうち、最初の14章が近世以前に充てられ、モダン・デザインは残る11章(1980年代まで網羅)。原著は下記となります。
Philip B. Meggs, A History of Graphic Design, second edition, Van Nostrand Reinhold, New York, 1992

 

亀倉雄策 『亀倉雄策の直言飛行』 六耀社, 2012年(新装版)
*上記「サヴィニャック関連」で挙げた展覧会図録『フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展』(1989年)のために書かれた「サヴィニャックはフランスの文化である」を所収。同時代の他のデザイナー、デザインと芸術・文化に関する読みやすいエッセイ集です。

勝井三雄, 田中一光, 向井周太郎 監修, 伊東順二, 柏木 博 編集 『最新版 現代デザイン事典』 平凡社, 2017年
*1986年以来、「年度ごと」に刊行されてきた『現代デザイン事典』を総集し、デザインの基礎・歴史に関する内容と、さまざまなデザイン領域の最新状況を織り交ぜて構成。グラフィックはもちろんのこと、変転する領域別の有り様、新分野、これらを支える日進月歩の技術や産業もカヴァーしています。

[定期刊行物]

GRAPHIS, Vol.19 No.109, Amstutz & Herdeg Graphis Press, Zurich, 1963
*スイス発の隔月刊・国際グラフィック・デザイン雑誌。英・独・仏の三か国語併記で発売、かつては東光堂書店の扱いで、日本語解説入りも刊行されました。1986年の媒体転売後、暫くしてアメリカのニューヨークに本拠が移され、今日に至っています。
*「ヘンリー・ヴォルフ:雑誌アート・ディレクター・デザイナー」「“デザイン・アート ディレクション63” 第一回展」「サヴィニャックのポスター」「ロナルド・サール」「宇野亜喜良」「公共機関のグラフィック・アート」「チューリッヒ:スイス年のグラフィック・イメージ」「ウィンザー・ニュートン画材会社のデザイン方針」「フランシス・ドランサール」「活字による実験的デザイン」という内容の本号のなかで、サヴィニャックは31点の作品画像(全10ページ)、顔写真、自身のテキストで紹介。
*本号の表紙も、サヴィニャックの描き下ろしイラストレーションによります。


 

『みづゑ』 637号, 美術出版社, 1958年
*巻頭連載「ナンセンス作家その3:レイモン・サヴィニャック」
*この特集でサヴィニャックは、「ショッキングな効果」と「漫画的な手法」を多用した作家とされ、21点の作品画像(全11ページ)、中原佑介(美術評論家)のテキストで紹介。ちなみに中原の論調は、ポスター・デザイナーの仕事全般を含めて、かなり辛辣です。


『アイデア』 第45巻・第6号(通巻265号), 誠文堂新光社, 1997年
*特集「ユーモア表現の変遷:アナログデザインの真骨頂」
*この特集のなかでサヴィニャックは、「ヴィジュアル・スキャンダルの元祖」と位置付けられ、15点の作品画像(全5ページ)、アラン・ヴェイユ(ポスター史家)の解説で紹介。サヴィニャック以外では、国・地域(フランス、ロシア、ドイツ、日本)、デザイナー(ヘルベルト・ロイピン、ヘンリク・トマシェフスキー、ポール・ランド、ソール・バス、プッシュピン・スタジオ、グラピュス、ジェームズ・ヴィクトル)、テーマ(動物によるユーモア表現[擬人化]、キャラクターによるユーモア表現、ブラック・ユーモア、シンプルな暗示、写真を使ったユーモア表現、シュールレアリスム、トロンプルイユ、見立て、誇張・デフォルメ、余韻やロマンティシズムを生むユーモア)に沿って、幅広い「ユーモア表現」のポスターを詳しく分析しています。
*表紙もサヴィニャックの《「ウット毛糸」原画》(1949年)により、本展では、雑誌とともに展示中。

[展覧会図録]


『ヨーロッパのポスター:その源流から現代まで』 京都国立近代美術館, 1978年
*会期・会場:1978年10月1日(日)~11月19日(日), 京都国立近代美術館|1978年11月29日(水)~1979年1月21日(日), 東京国立近代美術館
*パリ・ポスター美術館の所蔵品によるフランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、ポーランド、イギリス、アメリカのポスター266点で構成。
*1978年に開館したパリ・ポスター美術館の全面的な協力を得て、同じ年に日本の国立美術館で開催されたこと、近代ポスターが成立する以前1750年代から現代(1970年代)まで網羅した出品内容、そのなかにサヴィニャック作品8点が含まれる点、さらに展覧会図録の書籍化(
『フランスのポスター美術』 講談社, 1979年)において、非常に意義深い。
*図録テキストは、ジュヌヴィエーヴ・ガエタン=ビコン(パリ・ポスター美術館館長)、アラン・ヴェーユ(同・学芸部長)が寄稿。また、作家・作品解説は、仏日両館の学芸員が分担執筆。

 

『国際 “笑” ポスターSHOW』 サントリーミュージアム[天保山], 1999年
*会期・会場:1999年7月7日(水)~9月5日(日), サントリーミュージアム[天保山]
*サヴィニャック作品27点(すべてポスター)を中心に、世界の作家による1940年代~1990年代のポスター137点で構成。
*「ユーモア」をメイン・テーマとし、図録テキストは、総合監修者の福田繁雄(グラフィック・デザイナー)が寄稿。

『アフィッシュ・フランセーズ―現代フランスポスター50年の歩み』 アフィッシュ・フランセーズ展実行委員会, 2000年
*会期・会場:2000年8月22日(火)~9月17日(日), ヒルサイドフォーラム
*サヴィニャック作品15点(すべてポスター)を含み、フランスの作家による1940年代~1990年代のポスター102点で構成。
*多様な表現・技法のポスターを集め、図録テキストは、監修者のアラン・ヴェイユ(ポスター史家)、福田繁雄(グラフィック・デザイナー)が寄稿。

[教材]

  

『宇都宮美術館デザイン・キット deli.』[ワークシート&テキスト編], 宇都宮美術館, 2005年
*収蔵作品の約3分の2を占める「デザイン」について、この領域の作品を活用する「美術館教育プログラムの模索+教材開発」プロジェクトの成果物。28点のデザイン作品によるカード式のパンフレットで、着る、坐る、食べる、使う、見る、遊ぶ、識る、伝える、という8つのテーマに沿って、「デザインとは何か」を「Q&A」方式で分かりやすく具体的に解説しています。
*サヴィニャックについては、「伝える」(ヴィジュアル・コミュニケーション)の項目で取り上げ、《ビック:走る、走る、ビック・ボールペンが走る》(1951年。宇都宮美術館の作品タイトルは《ビックのボールペン 滑るようになめらか》)の画像(全2ページ)、「走る人やボールペンは、なぜ本物の写真ではないのでしょうか。さし絵でしか伝えることができないものは、何だと思いますか。」の問い掛けと、これに対する解説で紹介。
*コミュニケーション・デザインに関しては、「識る」(グラフィック・テクニック)の項目のなかで、ポスターの印刷技法(平版・凹版・孔版・凸版)も図解しています。

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