TOPICS026:見どころ紹介+ショップ情報――エスプリはディテールに宿る(最終回) 16.06.2018

ボンジュール!皆さん。ゴールデンウィークとともに始まった本展も、梅雨空の下、余すところ一日となりました。作品の日本到着から数えると、およそ半年を経過しています。そして、サヴィニャックが《牛乳石鹸モンサヴォン》の原画(1948年)を手がけてから、実に70年の歳月が流れました。
連載記事「見どころ紹介+ショップ情報」を締め括る今回は、どれほど月日が経っても褪せないサヴィニャック作品の魅力を、ギャラリー・トークや記念講演会、図録でもほとんど触れなかった「印刷技法」に探る、という観点で綴りたいと思います。展覧会をすでにご覧いただいた方は、作品・展示を思い起こしながら、また、明日の最終日が心待ちの皆さんと、これから三重・兵庫・広島の各館で観覧される人々には、ささやかな鑑賞ガイドとしてお読みいただければ幸いです。

19世紀末に始まるヨーロッパの近代ポスターは、サヴィニャックの最盛期(1950~1960年代)、引き続く1970年代の半ばまで、リトグラフによるものが主流でした。「版・インク・紙の関係」で言うと、「平版」に分類されるリトグラフは、色が鮮やかなうえ、大きな版で多くの枚数を刷ることに適しているため、必然的にポスターで多用されたのです。その開発・制作の中心がフランス、とりわけパリは最大の拠点に他なりません。フランスは、造形芸術としての刷り物(版画)の優れた伝統も有するので、商業広告もしくは美術作品、あるいは両方を得意とする一流の美術印刷所が、「リトグラフによる芸術性の高い印刷物」の発展に寄与しています。A. M. カッサンドルやサヴィニャックのポスターは、こうした風土の賜物、として良いでしょう。いみじくも「石版」と訳されるように、リトグラフにおいては、表面をざらざらにした石灰石(版)に油性クレヨンで絵や文字を描き(直描)、アラビア・ゴムを塗って「製版」を行います。ゴムはクレヨンと反応して油を、石の成分にも反応して水を引き寄せる性質を示します。次に、石(版)を水で濡らし、油性インクを載せると、水と油がはじき合い、クレヨンで描かれた部分だけにインクが付き、そのイメージを紙に刷る、これが「印刷」の仕組みです。但し、この方法では、リアルで細かい表現が難しいため、商業広告の場合、直描ではなく、イメージの転写や、金属版を用いたリトグラフが台頭しました。

カッサンドルが活躍した時代(1920~1930年代)は、繊細な調子を生み出すのにエアーブラシが用いられ、近寄って見ると、その巧みな使い方――非常に小さな「点」の集まりによって、陰影・濃淡が作られていることに気付かされます。ところがサヴィニャックは、若い頃からエアーブラシが大の苦手でした。よって、リトグラフならではの「勢いのある筆さばき」「柔らかなクレヨンづかい」を活かす表現に徹し、そのディテールは、大らかな風情を湛えます。

その後、リトグラフの原理を発展させ、大量印刷、写真のような表現が可能な「オフセット印刷」(平版)が考案され、アメリカや日本の場合、戦前から商業広告を席巻します。これは、写真による製版と、版と紙を密着させない印刷を特徴とし、特に刷りの工程は、筒型の金属板に水をつけ、インクを塗って、やはり円筒状のゴムにイメージを転写してから紙に印刷する、という画期的な方法でした。軟らかいゴムは、細かい陰影・濃淡を表すのに適しており、筒が回る輪転機の導入で、印刷物がより早く、より多く刷れるようになったのです。オフセット印刷は、虫めがねで観察すると、独特の「網のような点」が見えます。

こうした状況にあって、歴史的に「リトグラフの美術印刷」を誇ったヨーロッパ、とりわけフランスでは、「写真製版+金属板リトグラフ」という発展的な折衷技法が実践され、結果的に商業広告におけるリトグラフの存続が図られました。本展の出品作品としては、《オリヴェッティ レッテラ22》(1953年)が該当し、いかにもサヴィニャックらしい、言い換えると素朴なリトグラフ表現の人物と、当時の工業製品のカタログから切り取られたような写真製版のタイプライター、そのパッケージが対比を成し、珍しいタイプのポスターと言えます。人物を彩るタイプライターの二色フォント、企業・製品のロゴマークの部分は、刷りこそリトグラフですが、もちろんサヴィニャックの直描ではなく、彼の指示に従って転写され、製版の実際は美術印刷所の画工に帰せられます。

商業リトグラフの黄金期を牽引したカッサンドルは、さまざまな理由が重なって、1968年、67歳でピストル自殺の露と消えました。巨匠を精神的に追い詰めた理由の一つに、フランスにも押し寄せた「リトグラフ広告の凋落」があった、と言われています。緻密で完璧なグラフィックを再現する古典的な技法、デザイナーを納得させる手わざと美術印刷所の粋――「リトグラフのポスター」の時代が間もなく終焉する、と予見し、耐えがたい絶望を感じた、と解釈して良いでしょう。その頃、われらがサヴィニャックも、アート・ディレクター制度、写真を全面に打ち出したポスターの敷衍で、戦々恐々たる思いに囚われるようになった1970年代を目前にしています。

その代わり、affichiste(ポスター作家)としては、製版・印刷技法の如何にかかわらず、イラストレイティヴな作風を貫き、自身もクライアントも再起を賭けた《前へ、シトロエン!》(1981年)で花を咲かせた翌年、トゥルーヴィル=シュル=メールへ転居。さらに20年間、ポスター制作の方法、ひいてはコミュニケーション・デザインがデジタルの時代に突入するのを横目で見ながら、相変わらずのスタイルを守り、穏やかなペースで創造を続け、2002年に94歳の大往生を遂げました。

 

そんなレイモンが生涯大切にした「フランスのエスプリ」「パリにかけたポスターの魔法」を、当館の最終日は展覧会場で、印刷技法を始め、作品のディテールのなかに読み解いていただければ幸甚です。(完)

[ミュージアム・ショップからご挨拶]

ミュージアム・ショップからの最後のお知らせは、本展図録のご紹介となります。

 

●本展図録:ハード・カヴァー/全264ページ:税込2300円
日本で開催されるサヴィニャックの個展としては最大規模、200点以上の出品作品・資料の画像、項目・作品・トピックス解説を散りばめ、3本のテキスト、詳細な年表、文献リスト、巻末データと大変充実した内容です。監修者のティエリー・ドゥヴァンク(パリ市フォルネー図書館学芸員)による「サヴィニャック、パリの魔術師」は日仏対訳、他のテキストは、解説を含めて日英併記(年表のみ日本語)。詳しい内容は、こちらをご覧ください。

宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、サヴィニャック展の公式図録・グッズのほか、ショップ内の取り扱い商品を、
※通信販売+全国配送
いたします。
詳しくは、下記までお問合せください。
直通TEL.028-666-8585
E-MAIL:utm_ms@icloud.com
なお、
※サヴィニャック関係の商品は、最終日6月17日のみの扱いとなりますので、ご注意ください。

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TOPICS024:見どころ紹介+ショップ情報 その⑤ 11.06.2018

ボンジュール!皆さん。当館での本展も、余すところ1週間となりました。月日が経つのは、まことに早いものです。
今回の「見どころ紹介」は、展示を未見の方々、そして今週いっぱいの間に、もう一度、観覧を考えておられるリピーターの皆さんにも、これまで触れていなかった「必見のポイント」をご紹介したいと思います。

展覧会の導入となる「中央ホール」から見て、向かって右側の「会場1」は、入口にサヴィニャックが世界へ羽ばたくきっかけとなった《ヴィルモとサヴィニャック ポスター展》(1949年)のイメージを、作品よりも大きく「ウェルカム・サイン」として使っていますが、我らがレイモンは、花を手にした「右側の赤い人物」です。ヴィルモ(左側の青い人物)との違いは「口ヒゲ」の有る無しで、これにまつわるエピソードは、それまでヒゲを蓄えていなかったサヴィニャックが二人展の際に、世間に朋友のヴィルモと区別してもらうために、ポスターのなかの自身にヒゲを付し、以降、それが彼のトレードマークになった、というもの。
この時、サヴィニャックは41歳でした。本展では、さらに遡って「ヒゲのないレイモン」――それも幼少期から青年期までの姿を、貴重な記録写真に探っています。いずれも小さな写真のため、まとめて「1枚の額」に収めており、その向かい側にある年譜とともに、「パリの下町に生まれた少年が、どんな経緯でフランスを代表するポスター作家になったのか」「最初はどの仕事も長続きしなかったけれども、そんな経験が後年における創作の糧となった」ことを、読み解いていただければ幸いです。

あわせて、すでに取り上げた「A. M. カッサンドルのアシスタント時代」の仕事、その後、フリーランスの立場で手がけた「サヴィニャックらしさ」が窺われる1940年代の作品にも注目。これらには、単純化された動物・人間のイメージ骨太だけれども手描きならではの柔らかい線の表現特定の色による平明なコンポジションなど、《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)に見るサヴィニャックの特質がすべて現れています。「指さすヒト」の原型も、雑誌の表紙に登場しました。

しかし、同じ展示室内の他の作品群は、編年的にではなく、あえて類似のテーマや、本展の組み立ての根幹を成す「モティーフの括り」に沿って並べています。と言うのも、サヴィニャックの場合、モンサヴォンで確立し、世の中にも字義通り受け止められた自称「ヴィジュアル・スキャンダル」(物議を醸す視覚表現*)というスタイルは、そのインパクトが古めかしく感じられるようになっても、晩年に至るまで踏襲されたからです。いかに「ノン・コミッションド」(自主制作*)のポスター原画を出発点とし、原画に対するこだわりを持って制作したにせよ、基本的に商業美術は、多様な広告対象とクライアント、変転する時代、不特定多数の観客がポスターの向こう側に存在するので、理論に裏付けられた普遍性を目指さず、しかもこのような表現を貫いたサヴィニャックのあり方は、かなり特異だったと言えます。
(*)「ヴィジュアル・スキャンダル」「ノン・コミッションド」については、「サヴィニャックをめぐる言説」を参照

再び中央ホールに戻り、今度は向かって左手の「会場2」に目を向けてみましょう。展示室の入口には、電器メーカー「フリジェコ」のシリーズから抽出した「指さすヒト」の人形、ウェルカム・サインは《イル・ジョルノ紙》(1956年)を選びましたが、どちらも独自なスタイルの開花、並びに様式化を示唆しています。

こちらの展示室に関しては、随所で試みた「原画とポスターの並置」に留意してください。フランスの近代ポスターにおける「アイディア・スケッチがポスターになるまでの工程」は、「サヴィニャックとともに旅を その③」で記したため、ここでは詳細を割愛しますが、特にサヴィニャックについて興味深いのは、一口に「原画」と言っても、目的によって、さまざまなサイズと完成度のものがあり、そのすべてが解明されていない点でしょう。たとえば、スケッチに近い原画、いわゆる(作家の肉筆とされる)ポスター原画、製版の一段階前と思しい(印刷の現場に最も近い)ポスター原画は、「サヴィニャック作品」として刷られるポスターと、必ずしもディテールが合致しません。また、入念な検討・推敲を通じて、完成に至る段階を示すものとは言い難い印象です。

事実、「ウット毛糸」のコーナーでは、右端の小ぶりな原画(1949年頃)と、ドアノーによる左端の写真(1950年)に見る大きな原画は、かなり違う点に誰もが気付かされます。

右から二番目のポスター(1949/1951年)と、それに基づいて42年後に作家自身が再制作した不思議なデザイン画(1993年)も同様。結論から言えば、サヴィニャックは、決して「緻密なアプローチを追求する理詰めのグラフィック・デザイナー」「鋭い感覚で采配を振るやり手のアート・ディレクター」ではなく、どこまでも「爛漫なヴィジュアル・スキャンダルに透徹したポスター画家」でした。よって、こうした「原画のばらつき・ポスターとの不一致」が生じ、広告の発表後、「プロジェクトの起承転結を系統的に保存・自己分析したわけでもなかった」と考えられます。

別のコーナーには、まさにサヴィニャックならではの「放逸な典型」を表象する「指さすヒト」の原画とポスターがずらりと並びます。ちなみに、これらの指が揃って「右を差す」理由は、「サヴィニャックの色 その③ 」で解説した「文字列が左から右へと記される欧文の性質」と関係しており、事例としては少ない「左を差す」タイプ――たとえば《ペルネル(毛糸):これさえあればバッチリ》(1965年)も、「毛糸玉が手編みの衣類になった」という筋書きからすると、やはり「左(毛糸)から右(全身が手編みの人間)へと視点が動く」構図に他なりません。

[本展グッズのご紹介]
ミュージアム・ショップから今回は、グッズ2種、及び本展図録を改めて紹介いたします。

●A4版ダブルファイル:税込680円
「半額料金パス」を意味する「半身の男女」のアイディアが秀逸な作品に基づく商品で、表紙は「ムッシュ」、中面右側に「マダム」を配し、左側には元になった《フランス国有鉄道》ポスターの画像を入れました。ベースとなる色が濃いブルーなので、クリアファイルでありながら中の書類が透けず、2つのポケットは容量もたっぷり。

●フランス製ポストカード(各種):税別150円
公式グッズのポストカードは、どれも「出品作品」によりますが、それだけでは飽き足らないサヴィニャック・ファンの方々もおられることでしょう。ついては、「他のサヴィニャック作品」をグッズとして購入できるよう、フランス製のポストカードを用意しました。幾つかの種類があるなかで、ここでは晩年の《ショーモン国際ポスター展》《トゥルーヴィル笑いの大衆芸能祭》を紹介します。

●本展図録:ハード・カヴァー/全264ページ:2300円
200点以上の出品作品・資料の画像、項目・作品・トピックス解説を散りばめ、3本のテキスト、詳細な年表、文献リスト、巻末データと充実した内容です。初会場の練馬区立美術館では、最終日に売り切れとなりましたので、ぜひお早めにお求めください。幸いにも当館では、下記の通り「通信販売+全国配送」を承っております。

宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、サヴィニャック展の公式図録・グッズのほか、ショップ内の取り扱い商品を、
※通信販売+全国配送
いたします。
詳しくは、下記までお問合せください。
直通TEL.028-666-8585
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※サヴィニャック関係の商品は、展覧会期中(最終日6月17日)のみの扱いとなりますので、ご注意ください。

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TOPICS017:見どころ紹介+ショップ情報 その③ 17.05.2018

ボンジュール!皆さん。寒暖の差が大きいお天気が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
他の連載記事とも連動するかたちで、本展の「見どころ」を紹介する「ウェブ上の展示案内」も三回目となりました。今回は、三つの展示空間でポイント的に登場する「展示ケース」に注目してみましょう――


ケースの中には、エディトリアル・デザイン、ノヴェルティ、小型のデザイン画、スケッチブックなど、近寄って見ていただきたい作品が集められています。壁面のポスターや原画との接点を探る、両者の比較を行うと、サヴィニャックの仕事、その表現についての理解も深まります。


たとえば、《「ビール33」原画》(1961年)は、向き合う壁に並ぶ《ブリュナは温まるビール》(1950年)《チンザノ》(1951年)のポスターと見くらべることで、同じく「動物をアイキャッチャーとするアルコール飲料の広告」であっても、それぞれの商品にふさわしい図案をサヴィニャックが編み出した点に気づきます。ちなみに「ビール33」はフランス生まれ、ヴェトナム育ちのラガー(1975年のヴェトナム戦争終結後、同地では「エクスポート・ビール333」に名称変更。フランス製品は「エクスポート33」)、これに対して「ブリュナ」(現「AMAブリュナ」)はアメリカ生まれ、イタリア育ちの濃厚なベルギー・エールです。


また、この原画は、裏面にも別作のための未完の絵、もしくは描かれた紙の再利用によって部分的にカットされてしまったのかも知れない《「CIC銀行」原画》が描かれ、それを観覧できるよう、展示に工夫を図りました。生憎と本展には、この銀行(商工信用銀行)のポスター(1963年)こそ出品されていませんが、中央ホールでご覧いただけるドキュメンタリー映像「「街路の人 サヴィニャック」(1986年)で作品を確認することが可能です。

 

別の展示ケースでは、パンフレットの見開きとスケッチの並置も試みました。すなわち、前者は《雑誌『アダン』のための広告:アダンの読者はスポーツ好き》(1965年頃)、これに合致する後者が《「アダン(雑誌)」スケッチ》(1965年)です。パンフレットの他のページには、旧約聖書でおなじみの「アダム」のイメージがさまざまなポーズで現れ、スケッチの裏面を見ると、鉛筆描きの「アダム」がモダンな家のなかでくつろいでいます。なお、1925~73年に刊行の『アダン』は、フランスの隔月刊男性ファッション雑誌でした。


さらに、当館においては、サヴィニャックの晩年の仕事ぶりを窺わせる2冊のスケッチブックを、4期に分けて「めくり公開」します。すでに1期目(4月29日~5月9日)が終了し、現在は、向かって左側のスケッチブックから《トゥルーヴィル公証人のサイン案スケッチ》(より正確に記すと「トゥルーヴィル=シュル=メール、ジャン=ピエール&ヤン・メイモー公証人事務所」スケッチ)、右側に《トゥルーヴィルの切手案スケッチ》「トゥルーヴィル=シュル=メールの切手」スケッチ)を展示中(~5月23日)。

小さい方のスケッチブック(右側)には、8ページにわたって「切手」のヴァリエーションが描かれ、サヴィニャックによる「色とかたちの検討」の足跡が分かります。
※展示室内で配布している出品作品リストは、こちらからダウンロードできます。

[本展グッズのご紹介]
お気に入りのサヴィニャック作品を、図録グッズのかたちで購入できるミュージアム・ショップからは、普段づかいにうってつけの2商品を紹介いたします。

●A6型抜きシール:税込400円
《フリジェリコ:良質の冷蔵庫》を始め、サヴィニャックのポスターに頻出する「指さすヒト+爽快なブルー」による6作品を「紙シール」にした本商品は、忘れモノ・コトが多い自分用にぴったり。封筒に貼って誰かに送れば、ちゃんと見てね!というメッセージも、ユーモアを交えて伝わります。

●トートバッグ:税込1,000円
一番人気の《牛乳石鹸モンサヴォン》、そして個性的な《早く!アスプロ》を表面にあしらった本商品は、デザイン画(再制作)の味わいが厚口の木綿キャンヴァス地になじみます。生地が丈夫でマチもたっぷり、A4サイズ対応とくれば、使い勝手はバッチリ。図録を入れるのにも便利です。

宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、サヴィニャック展の公式図録・グッズのほか、ショップ内の取り扱い商品を、
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TOPICS016:「サヴィニャックに捧ぐグラフィック」の設置 15.05.2018 ※6月14日 最終更新

サヴィニャックに捧グラフィック

本展が巡回する5つの美術館では、「サヴィニャックの大規模な回顧展をどのように広報するか」について、それぞれに工夫を図っています。テーマが「ポスター作家」「コミュニケーション・デザイン」だけに、各館の宣伝物を手がけたクリエイターの方々も、大いに発奮されたと思います。
同じテーマであっても、開催時期、ターゲットとなる来館者層、地域色、普遍性、クリエイター自身の独自な解釈などを反映し、ヴァリエーション豊かな宣伝物が生み出されるのは言わずもがなですが、とりわけ「デザインの歴史・巨匠」を扱う展覧会の「宣伝物のデザイン」は難易度が高く、種々のアイディアとチャレンジを試行錯誤する機会になる、として良いでしょう。
このことを鑑みて、本展の各館チラシ、並びに「サヴィニャックとデザイン史の本棚」でも取り上げた書誌も織り交ぜて、それらをヴィジュアルに紹介するページを設けました。内容は、随時更新いたしますので、どうぞお楽しみに。(6月14日 最終更新

●「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」(本展)
[図録] ※五館共通

 

練馬区立美術館+宇都宮美術館+三重県立美術館+兵庫県立美術館+広島県立美術館, 2018年
デザイン:岡田奈緒子+小林功二(ランプライターズレーベル
*使用作品
表紙:《ひとりでに編めるウット毛糸》(1949/1951年)
裏表紙:《1951年、パリ誕生2000年記念》(1951年)
透明カヴァーの両袖:「デクーヴェルト/発見」原画(1990年頃)
*図録の詳細はこちらをご覧ください

[展覧会チラシ]

 

練馬区立美術館, 2018年
デザイン:瀬戸山雅彦(website
*使用作品
表面:《ひとりでに編めるウット毛糸》(1949/1951年)

 

宇都宮美術館, 2018年
デザイン:岡田奈緒子+小林功二(ランプライターズレーベル
*使用作品
表面:《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)
*デザイナーによるコメントはこちらをご覧ください

  

三重県立美術館, 2018年
デザイン:平井秀和(ピースグラフィックス
*使用作品
表面(全4種):
《ドップ:清潔な子どもの日》(1954年)
《1951年、パリ誕生2000年記念》(1951年)
《ビック:新しいボール(スイス版)》(1960年)
《フリジェコ:良質の冷蔵庫》(1959年)

●書籍


Anne-Claude Lelieur, Raymond Bachollet, Savignac affichiste, Bibliothèque Forney, Paris, 2001
デザイン:ドミニック・トゥシャール+フレデリック・ルメール
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《『イル・ジョルノ』紙》(1956年)

  

(左)レイモン・サヴィニャック著, 橋本順一 訳 『レイモン・サヴィニャック自伝』 TOブックス, 2007年
装丁:日下潤一(blog)+長田年伸(たのしい文字と組版)+浅妻健司(website
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
(中)矢萩喜從郎 編 『レイモン・サヴィニャック』(『世界のグラフィックデザイン』 97巻) ギンザ・グラフィック・ギャラリー, 2011年
デザイン:矢萩喜從郎(矢萩喜從郎建築計画/キジュウロウヤハギ
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
(右)レイモン・サヴィニャック著, ティエリ・ドゥヴァンク編, 谷川かおる 訳 『ビジュアル版 レイモン・サヴィニャック自伝』 小学館, 2018年
アート・ディレクション:おおうちおさむ(ナノナノグラフィックス)|デザイン:伊藤 絢(ナノナノグラフィックス
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)

レイモン・サヴィニャック著, 小柳 帝 日本語版監修 『サヴィニャック ポスター A-Z』 アノニマ・スタジオ, 2007年
日本語版デザイン:茂木隆行(出版社による紹介
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《サヴィニャック展:於パリ・ポスター美術館》(1982年)

ティエリー・ドゥヴァンク 著, 藤原あき 訳 『レイモン・サヴィニャック:フランス ポスターデザインの巨匠』 ピエ・ブックス, 2006年
企画・アートディレクター:間嶋タツオミ(間嶋デザイン事務所)|デザイン:高橋健二
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《ドップ:清潔な子どもの日》(1954年)

山下純弘 著 『Raymond Savignac:AFFICHISTE』 ギィ アンティック ギャラリー, 2006年
デザイン:新納早都子
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《「トブラー・チョコレート」原画》(1951年)

●定期刊行物

GRAPHIS, Vol.19 No.109, Amstutz & Herdeg Graphis Press, Zurich, 1963
カヴァー・デザイン:レイモン・サヴィニャック
*雑誌の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:描き下ろしのイラストレーション(1963年)

『アイデア』 第45巻・第6号(通巻265号), 誠文堂新光社, 1997年
レイアウト:大江安芸+川村秀雄
*雑誌の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《「ウット毛糸」原画》(1949年)

●展覧会図録

『フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展』 西武美術館, 1989年
表紙デザイン:田中一光
レイアウト:ビセ
*図録の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:ピエール・メンデル+クラウス・オーバラー《サヴィニャック展:於ミュンヘン、ディ・ノイエ・ザンムルング》(1982年)

Raymond Savignac, Marc Lecarpentier (preface), Savignac – Projets et maquettes d’affiches, Galerie Marine Gossieaux, Paris, 1993
エディトリアル・デザイン:レイモン・サヴィニャック
*書籍の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《『イル・ジョルノ』紙》(1956年)

『アフィッシュ・フランセーズ―現代フランスポスター50年の歩み』 アフィッシュ・フランセーズ展実行委員会, 2000年
デザイン:矢萩喜從郎(矢萩喜從郎建築計画/キジュウロウヤハギ
*図録の詳細はこちらをご覧ください
*使用作品
表紙:《アストラル エナメルペンキ》(1949年頃)

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NEWS008:ミュージアム・ショップからのお知らせ 10.05.2018

宇都宮美術館ミュージアム・ショップでは、サヴィニャック展の公式図録・グッズのほか、ショップ内の取り扱い商品を、
※通信販売+全国配送
いたします。
詳しくは、下記までお問合せください。
直通TEL.028-666-8585
E-MAIL:utm_ms@icloud.com

※フェイスブック
https://www.facebook.com/宇都宮美術館ミュージアムショップ-2116701371894361/
※ツイッター
https://twitter.com/Shop_UMS
も宜しくお願い申し上げます。

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TOPICS011:見どころ紹介+ショップ情報 その① 29.04.2018

宇都宮美術館よりボンジュール! ゴールデンウィークの到来とともに、当館での「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」展が開幕しました。


お天気にも恵まれ、美術館エントランスに掲出された《牛乳石鹸モンサヴォン》(1948/1950年)によるサインが木漏れ日と大谷石壁に美しく映えます。


当館における本展は、やはりモンサヴォンの「牛」のバナーが吊り下がる中央ホールから始まり、二つの展示室(順路は向かって「右→左」)に、200点を超えるポスターや原画、各種印刷物、写真、参考出品作品(貴重なスケッチ、愛用の画材など)をゆったりと、かつ変化を付けて配置しました。


見どころについては、本サイトを通じて少しずつ披露していきますが、まずは《牛乳石鹸モンサヴォン》のコーナーをご覧ください。今回は、「サヴィニャックが活躍した頃のパリの街の様子」を伝える写真が出品されており、これらを眺めると、「ヨーロッパ特有のポスターの掲出方法」を窺い知ることができます。一言で記せば、建造物の壁にダイナミックに貼る――展示室では、その部分な再現も試みています。


あわせて、小さな作品、裏面にも注目したい印刷物、立体などが際立つよう、そして壁面に展示した作品群と関連付けて鑑賞できるよう工夫を図りました。
※展示室内で配布している出品作品リストは、こちらからもダウンロードできます。

ミュージアム・ショップでは、開幕に先立つ内覧会の昨日から、本展の公式図録(1冊=税込2,300円)ほか、豊富な展覧会グッズが店頭に並びましたので、ご来館の際には、ぜひお立ち寄りいただければ幸いです。
※商品に関するお問い合わせは、ショップ直通TEL.028-666-8585までお願い申し上げます。

[関連ニュース]
デザインや地域文化、アウトリーチに焦点を当てた活動も展開している当館のプロジェクトから、このたび「宮の注染を拓く 手拭」(5種)というオリジナル商品が誕生しました。
こちらは、「地域産業とデザイン」をテーマに、江戸中期にさかのぼる「宇都宮の染めの歴史」と、これを育んだ「地域の風土」を調査研究し、明治末期から広まった「注染」の技法に焦点を当て、地域の人々とともに、この技法にふさわしい「宮モダンのパターン・デザイン」を拓いた平成27年度の館外プロジェクトの成果です。プロジェクトにおいては、公募で選ばれた5つの原案(受賞作)が、「人々の共創」と「デザインの力」によって、いま・これからの地域内外に人々に愛される、宇都宮らしい普遍的な「宮モダンの注染反物」として完成され、その商品化こそが「宮の注染を拓く 手拭」となります。
当館ショップ、並びに東武宇都宮百貨店 5階和食器売場5月10日より販売)でお取り扱いしておりますので、宜しくお願い申し上げます。
※商品とプロジェクトについての詳細は、こちらをご覧ください。

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NEWS004:図録改訂表のお知らせ 17.04.2018(30.06.2018更新)

本展の展覧会図録に付随する「改訂表」をサイト上に掲載しました。
第一会場・練馬区立美術館(2018年2月22日~4月15日:会期終了)で図録をお求めになられた方は、改訂表が入っておりませんでしたので、こちら からダウンロードしてお役立ていただければ幸いです
(17.04.2018)

巡回五会場に共通のお知らせとして、改訂表の更新を行いました。
ダウンロードは こちら となります。
第二会場・宇都宮美術館(2018年4月29日~6月17日:会期終了)でお求めになられた皆さんも、お役立てください
(30.06.2018)

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TOPICS006:「サヴィニャックとデザイン史の本棚」の設置 12.04.2018 ※6月18日 最終更新

サヴィニャックデザイン史の本棚

本サイトのトピックスで取り上げた書誌に加えて、展覧会の準備や図録制作で参照し、サヴィニャックとデザイン史を知るうえで役立つものを、一言コメント(*)付きで随時追加いたします。(6月18日 最終更新
基本的には、図書館、美術館、書店やオンラインで入手・閲覧可能な文献を中心としています。

●サヴィニャック関連

[カタログ・レゾネに匹敵する刊行物]

Anne-Claude Lelieur, Raymond Bachollet, Savignac affichiste, Bibliothèque Forney, Paris, 2001
*サヴィニャック存命中、最後の大回顧展となった「フォルネーのサヴィニャック」展[2001年9月11日(火)~2002年1月12日(土):於パリ市フォルネー図書館]の図録。全556ページのハード・カヴァー、ISBN番号入りの充実した書籍(洋書)で、サヴィニャックの業績について、これほど詳しい刊行物は他に類例がありません。スケッチや原画、ポスターとそのヴァリエーションなど、収録される作品点数・種類においてもずば抜けているため、現時点での「カタログ・レゾネに匹敵する刊行物」として、このコーナーの筆頭で挙げることにしました。
章立ては、サヴィニャックの生涯・活動紹介に始まり、「最初期の仕事」ほか26のテーマに分類した作品図版とそのデータ、年譜、展覧会、サヴィニャックによる他の刊行物のテキスト抜粋、テーマ別の索引、文献と続きます。ファンにも研究者にも必携の1冊、として良いでしょう。
*同書の中身は、pp.62-63p.202部分p.255 部分 ・pp.408-409・ pp.454-455 ・p.490部分を画像で紹介しています。

[書籍]

 

(左)レイモン・サヴィニャック著, 橋本順一 訳 『レイモン・サヴィニャック自伝』 TOブックス, 2007年
(右)レイモン・サヴィニャック著, ティエリ・ドゥヴァンク編, 谷川かおる 訳 『ビジュアル版 レイモン・サヴィニャック自伝』 小学館, 2018年
*幼少期に始まり、1960年代までを綴った半生記。日記調、回顧録、エッセイ風など、章によって記述が異なるところが面白く、サヴィニャックの人間味と、パリの街の活き活きとした描写に触れることができます。原著は下記で、日本語訳は2種類あります(左・右)。
Raymond Savignac, Savignac affichiste, Robert Laffont, Paris, 1975
(左)2007年版の特徴は、まず手頃な体裁(H192×W138×D30mm、ハード・カヴァー)で、このサイズ感、平易な1段組・縦書きのレイアウトが訳文の調子と合致し、散見にも熟読にも適しています。作家の生の声を伝えながら、軽過ぎない訳文には品位が感じられ、精査された図版・訳注とのバランスも良し。編集協力者として挙げられるティエリー・ドゥヴァンク氏(パリ市フォルネー図書館学芸員。サヴィニャック研究の第一人者・本展監修者)による「晩年のサヴィニャック」に関するエピローグの章は、情報ソースとしてのみならず、自伝の締め括りにふさわしい内容です。
(右)2018年版の特徴は、「ビジュアル版」と銘打たれる通り、何よりも図版の豊富さ、これに適する大判の体裁(H260×W182×D22mm、ソフト・カヴァー)。このサイズで2段組・縦書きは、紙質とも相まって、少し読みにくい印象ですが、「ムック本」と捉えるならば問題なく、訳文の調子や訳注の内容も同様と言えます。完全に「今風」な訳文は、読者の好みが二分されるのではないでしょうか。ドゥヴァンク氏の関わり方がいっそう深く、原著(1975年)・旧訳(2007年)から年代を経ているため、情報は最新のものに更新されています。

 

レイモン・サヴィニャック著, 小柳 帝 日本語版監修 『サヴィニャック ポスター A-Z』 アノニマ・スタジオ, 2007年
*サヴィニャック晩年の著作で、自身の精選作品にAからZで始まるキーワードを付し、軽妙な短文を添えた画文集。絵柄に直接関係する内容、まったく異なる観点のコメント、言葉遊びその他、読書家で文章も洒脱なサヴィニャックに触れることができます。
*アラン・ヴェイユ(ポスター史家)による作家紹介に加えて、日本語版には訳者のエッセイを追加。原著は下記となります。
Raymond Savignac, Alain Weill, Savignac: L’affiche de A à Z, Hoëbeke, Paris, 1987

ティエリー・ドゥヴァンク 著, 藤原あき 訳 『レイモン・サヴィニャック:フランス ポスターデザインの巨匠』 ピエ・ブックス, 2006年
*序文に始まり、1930年代・1940年代・1950年代・1960年代・1970年代・1980年代・1990年代~2000年代と編年的に組み立てた各章のなかに、多くの作品画像を散りばめ、作品解説とエピソードも織り込んだ充実の内容。巻末にはサヴィニャックの略年譜、掲載作品のデータ一覧が付されています。ティエリー・ドゥヴァンク氏(パリ市フォルネー図書館学芸員。サヴィニャック研究の第一人者・本展監修者)の執筆によりますが、フランス語版はありません(本書が原著)。

山下純弘 著 『Raymond Savignac:AFFICHISTE』 ギィ アンティック ギャラリー, 2006年
*サヴィニャック作品のコレクターとして知られる著者の所蔵品52点で構成。序文に始まり、作品画像・データと解説、巻頭にサヴィニャックの略年譜、巻末には国内外で開催された主なサヴィニャック展の一覧が付されています。

 

矢萩喜從郎 編 『レイモン・サヴィニャック』(『世界のグラフィックデザイン』 97巻) ギンザ・グラフィック・ギャラリー, 2011年
*ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された「レイモン・サヴィニャック展―41歳、“牛乳石鹸モンサヴォン”のポスターで生まれた巨匠」[2011年6月6日(月)~6月28日(火)]の出品作57点で構成。テキストは、編集・デザインを手がけた矢萩喜從郎(グラフィック・デザイナー)が寄稿し、巻末にはサヴィニャックの略年譜、掲載作品のデータ一覧が付されています。

[展覧会図録


『フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展』 西武美術館, 1989年
*会期・会場:1989年4月28日(金)~5月9日(火), 有楽町アート・フォーラム
*サヴィニャック作品34点(すべてポスター)による個展。
*図録テキストは、アラン・ヴェイユ(ポスター史家)、亀倉雄策(グラフィック・デザイナー)、坂根 進(アート・ディレクター)の三氏が寄稿。
*亀倉雄策のエッセイをお読みになりたい場合、下記「デザイン史関連」で挙げた『亀倉雄策の直言飛行』(2012年)にも収録されています。

Raymond Savignac, Marc Lecarpentier (preface), Savignac – Projets et maquettes d’affiches, Galerie Marine Gossieaux, Paris, 1993
*会期・会場:1993年9月18日(土)~11月30日(火), パリ、ギャルリー・マルティーヌ・ゴッシオー
*同名の個展(サヴィニャック:ポスターのためのスケッチと原画)に際して刊行された限定700部の図録(ポートフォリオ)で、過去のポスターと、これらに基づく再制作のデザイン画を対比させる、という内容。
*序文は、マルク・ルカルパンティエ(アート・ディレクター/編集者)による。
*今回(2018年)の展覧会に出品されている「再制作のデザイン画」は、この図録のための描き下しです。かなり以前に完成されたイメージを、作家自身が改めてグリッド上に描き起こす、という試みが興味深く、その分析は、次世代のデザイナーや研究者の糧となります。作品画像については、以下を参照。
《牛乳石鹸モンサヴォン》《ウット毛糸》《ルノー4》

『レイモン・サヴィニャック―パリの空のポスター描き』 サントリーミュージアム[天保山]+産経新聞社, 2005年
*会期・会場:2005年4月29日(金)~7月3日(日), サントリーミュージアム[天保山]|2006年9月16日(土)~11月5日(日), 川崎市市民ミュージアム
*サヴィニャック作品146点(ポスター、デザイン原画、絵画)による個展。
*エッセイ・論文に相当する図録テキストは一切なく、村上美香(コピー・ライター)による解説、サヴィニャックとアラン・ヴェイユ(ポスター史家)の共著『サヴィニャック:ポスターA to Z』の全訳で構成。

 

『サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法展』 練馬区立美術館+宇都宮美術館+三重県立美術館+兵庫県立美術館+広島県立美術館, 2018年
*本展の公式図録です。
*目次はこちらをご覧ください。
*改訂表はこちらをご覧ください。(03.07.2018更新)
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●デザイン史関連

[書籍

Walter Heinz Allner, Posters, Reinhold Publishing, New York, 1951
*作家に焦点を当て、筆者であるアルナー以下、氏名のABC順に、51の個人・ユニットの仕事を作家自身の言葉と精選された図版で取り上げています。サヴィニャックは5点の作品画像(全4ページ)、ロベール・ドアノーによる写真《チェスをするサヴィニャック》、自身のテキストで紹介。
*作家の出身国・地域で見ると、イギリス、フランス、ドイツ、スイス、イタリア、オーストリア、ハンガリー、チェコ、ポーランド、ルーマニア、オランダ、デンマーク、スウェーデン、アメリカ、プエルトリコ、日本と幅広く、しかも活動の場を世界に置く人々を多数選出。ちなみにアルナー自身も、ドイツのデッサウに生まれ、バウハウス・デッサウで学んだのち、パリに出てジャン・カルリュのアシスタントとなり、フランス、スイスを経て、アメリカに本拠を移した国際派です。ドイツ=スイス派の構成的なスタイル、アメリカ的な手法をあわせ持ち、編集者としての経験を踏まえて、執筆にも長じました。
*1940年代後半~1950年頃のポスターの動向、作家のアプローチや思想をリアルに知るうえで、必携の一冊、として良いでしょう。

 

(左)北原義雄・アトリヱ社 編 『現代商業美術全集』 第二巻 「実用ポスター圖案集」 アルス, 1928年
(右)ゆまに書房 編 『現代商業美術全集 ゆまに書房版』 第2巻「実用ポスター図案集」 ゆまに書房, 2001年(アルス, 1928年の復刻)
*1928~1930年に刊行された『現代商業美術全集』(全24巻)は、欧米におけるコミュニケーション・デザインの歴史・理論・実践・最新状況を伝えるとともに、わが国での応用と展開、日本人作家の仕事もヴィジュアルに解説する当時の優れた「事典的教科書」です。
*全24巻の内容は――
第1巻「世界各国ポスター集」, 第2巻「実用ポスター図案集」(本書), 第3巻「世界模範ショーウィンドー集」, 第4巻「各種ショーウィンドー装置集」, 第5巻「各種ショーウィンドー背景集」, 第6巻「世界各国看板集」, 第7巻「実用看板意匠集」, 第8巻「電気応用広告集」, 第9巻「店頭店内設備集」, 第10巻「売出し該当装飾集」, 第11巻「出品陳列装飾集」, 第12巻「包紙・容器意匠図案集」, 第13巻「新聞雑誌広告作例集」, 第14巻「写真及漫画応用広告集」, 第15巻「実用図案文字集」, 第16巻「実用カット図案集」, 第17巻「文字の配列と文案集」, 第18巻「チラシ・レッテル図案集」, 第19巻「新案商標・モノグラム集」, 第20巻「小印刷物及型物図案集」, 第21巻「カタログ・パンフレット表紙図案集」, 第22巻「日本趣味広告物集」, 第23巻「最新傾向広告集」, 第24巻「商業美術総論」
復刻版には――
別巻「解説・月報・総目次・著者名作品ほか」
が付されています。
*連載記事「巨大ポスターをめぐって その①」で紹介した「巴里に於けるポスター掲出の情景」は、本書に収録。

商業デザイン全集編集委員会 編 『商業デザイン全集』 第5巻「作家篇」 ダヴィッド社, 1952年
*1951~53年に刊行された『商業デザイン全集』(全5巻)は、上記の『現代商業美術全集』(1928~30年)に似ていますが、網羅する内容を、より同時代的な視点でコンパクトに再編した「実用グラフィック・デザイン事典」として良いでしょう。
*全5巻の内容は――
第1巻「入門篇」, 第2巻「PR篇」, 第3巻「商品篇」, 第4巻「商店篇」, 第5巻「作家篇」(本書)
*サヴィニャックは、9点の作品画像(全3ページ、うち1ページはカラー)、ロベール・ドアノーによる顔写真、河野鷹思(グラフィック・デザイナー)の解説で紹介。
*1950年代は、グラフィック・デザインの理論・技法、世界の動向・作家をテーマとする和書が次々と刊行されました。これには、1951年に「日本宣伝美術会」(日宣美)の設立が大きな契機となっています。

 

マダム・マサコ著 『巴里案内』 講談社, 1957年
*戦後日本の服飾評論では草分けのマダム・マサコ(1916年生まれ。本名:松野正子/滝 正子)によるエッセイ集。筆者が留学した1950年代前半のパリの様子を、モード、美術、暮らしなどの観点から綴る内容で、見返し・裏見返しに、レイモン・サヴィニャックの《雑誌『ヴォーグ』のための「1951年、パリ誕生2000年記念」イラストレーション》(1951年)が掲載されています。
*この絵柄が、本展出品作品のポスター《1951年、パリ誕生2000年記念》(1951年)のヴァリエーションである点に注目。

勝見 勝 編 『世界の商業デザイナー80』 ダヴィッド社, 1958年
*作家に焦点を当て、「近代グラフィック・デザイナーの登場」と題されたテキスト以下、フランス、イギリス、スイス、ドイツ、イタリア、スウェーデン/オランダ/スペイン/ベルギー/デンマーク、アメリカ、日本の順に、80の個人・グループの仕事を豊富な図版で取り上げています。サヴィニャックは17点の作品画像(全3ページ、うち1点は巻頭カラー)、《コリー紙巻タバコ:旨いブレンド》を前にしたプロフィール写真、勝見 勝(デザイン評論家)の解説で紹介。

 

京都国立近代美術館 編 『フランスのポスター美術』 講談社, 1979年
*1978~79年に開催された「ヨーロッパのポスター:その源流から現代まで」展(京都国立近代美術館・東京国立近代美術館)の図録を書籍化したもので、二つの図録テキストに加えて、西脇友一(大阪芸術大学教授/グラフィック・デザイナー)、小倉忠夫(京都国立近代美術館学芸課長)による書き下ろしのエッセイも寄せられています。
*内容詳細は、図録の紹介欄をご覧ください。

 

Alain Weill, Marilyn Myatt (English translation), The Poster, G. K. Hall, Boston, 1985
*ポスターの始まり(近世)から1980年代までの世界ポスター史を綴る内容で、サヴィニャックは「1945~70年の諸相」の冒頭で紹介。フランス語の原著は下記となります。
Alan Weill, L’Affiche dans le monde, Editions Aimery Somogy, Paris, 1984

アラン・ヴェイユ著, 竹内次男 訳 『ポスターの歴史』 白水社, 1994年
*サヴィニャックを含む「フランスのポスター史」を学ぶための良き入門書。原著は下記となります。
Alan Weill, L’Affiche française, Presses Universitaires de France, Paris, 1982

フィリップ・B. メッグズ著, 藤田治彦 日本語版監修 『グラフィック・デザイン全史』 淡交社, 1996年
*先史時代まで遡って「視覚伝達」の歴史を編年的に論じる内容。全25章のうち、最初の14章が近世以前に充てられ、モダン・デザインは残る11章(1980年代まで網羅)。原著は下記となります。
Philip B. Meggs, A History of Graphic Design, second edition, Van Nostrand Reinhold, New York, 1992

 

亀倉雄策 『亀倉雄策の直言飛行』 六耀社, 2012年(新装版)
*上記「サヴィニャック関連」で挙げた展覧会図録『フランスのユーモアとエスプリ サヴィニャック ポスター展』(1989年)のために書かれた「サヴィニャックはフランスの文化である」を所収。同時代の他のデザイナー、デザインと芸術・文化に関する読みやすいエッセイ集です。

勝井三雄, 田中一光, 向井周太郎 監修, 伊東順二, 柏木 博 編集 『最新版 現代デザイン事典』 平凡社, 2017年
*1986年以来、「年度ごと」に刊行されてきた『現代デザイン事典』を総集し、デザインの基礎・歴史に関する内容と、さまざまなデザイン領域の最新状況を織り交ぜて構成。グラフィックはもちろんのこと、変転する領域別の有り様、新分野、これらを支える日進月歩の技術や産業もカヴァーしています。

[定期刊行物]

GRAPHIS, Vol.19 No.109, Amstutz & Herdeg Graphis Press, Zurich, 1963
*スイス発の隔月刊・国際グラフィック・デザイン雑誌。英・独・仏の三か国語併記で発売、かつては東光堂書店の扱いで、日本語解説入りも刊行されました。1986年の媒体転売後、暫くしてアメリカのニューヨークに本拠が移され、今日に至っています。
*「ヘンリー・ヴォルフ:雑誌アート・ディレクター・デザイナー」「“デザイン・アート ディレクション63” 第一回展」「サヴィニャックのポスター」「ロナルド・サール」「宇野亜喜良」「公共機関のグラフィック・アート」「チューリッヒ:スイス年のグラフィック・イメージ」「ウィンザー・ニュートン画材会社のデザイン方針」「フランシス・ドランサール」「活字による実験的デザイン」という内容の本号のなかで、サヴィニャックは31点の作品画像(全10ページ)、顔写真、自身のテキストで紹介。
*本号の表紙も、サヴィニャックの描き下ろしイラストレーションによります。


 

『みづゑ』 637号, 美術出版社, 1958年
*巻頭連載「ナンセンス作家その3:レイモン・サヴィニャック」
*この特集でサヴィニャックは、「ショッキングな効果」と「漫画的な手法」を多用した作家とされ、21点の作品画像(全11ページ)、中原佑介(美術評論家)のテキストで紹介。ちなみに中原の論調は、ポスター・デザイナーの仕事全般を含めて、かなり辛辣です。


『アイデア』 第45巻・第6号(通巻265号), 誠文堂新光社, 1997年
*特集「ユーモア表現の変遷:アナログデザインの真骨頂」
*この特集のなかでサヴィニャックは、「ヴィジュアル・スキャンダルの元祖」と位置付けられ、15点の作品画像(全5ページ)、アラン・ヴェイユ(ポスター史家)の解説で紹介。サヴィニャック以外では、国・地域(フランス、ロシア、ドイツ、日本)、デザイナー(ヘルベルト・ロイピン、ヘンリク・トマシェフスキー、ポール・ランド、ソール・バス、プッシュピン・スタジオ、グラピュス、ジェームズ・ヴィクトル)、テーマ(動物によるユーモア表現[擬人化]、キャラクターによるユーモア表現、ブラック・ユーモア、シンプルな暗示、写真を使ったユーモア表現、シュールレアリスム、トロンプルイユ、見立て、誇張・デフォルメ、余韻やロマンティシズムを生むユーモア)に沿って、幅広い「ユーモア表現」のポスターを詳しく分析しています。
*表紙もサヴィニャックの《「ウット毛糸」原画》(1949年)により、本展では、雑誌とともに展示中。

[展覧会図録]


『ヨーロッパのポスター:その源流から現代まで』 京都国立近代美術館, 1978年
*会期・会場:1978年10月1日(日)~11月19日(日), 京都国立近代美術館|1978年11月29日(水)~1979年1月21日(日), 東京国立近代美術館
*パリ・ポスター美術館の所蔵品によるフランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、スイス、オーストリア、イタリア、スペイン、ポーランド、イギリス、アメリカのポスター266点で構成。
*1978年に開館したパリ・ポスター美術館の全面的な協力を得て、同じ年に日本の国立美術館で開催されたこと、近代ポスターが成立する以前1750年代から現代(1970年代)まで網羅した出品内容、そのなかにサヴィニャック作品8点が含まれる点、さらに展覧会図録の書籍化(
『フランスのポスター美術』 講談社, 1979年)において、非常に意義深い。
*図録テキストは、ジュヌヴィエーヴ・ガエタン=ビコン(パリ・ポスター美術館館長)、アラン・ヴェーユ(同・学芸部長)が寄稿。また、作家・作品解説は、仏日両館の学芸員が分担執筆。

 

『国際 “笑” ポスターSHOW』 サントリーミュージアム[天保山], 1999年
*会期・会場:1999年7月7日(水)~9月5日(日), サントリーミュージアム[天保山]
*サヴィニャック作品27点(すべてポスター)を中心に、世界の作家による1940年代~1990年代のポスター137点で構成。
*「ユーモア」をメイン・テーマとし、図録テキストは、総合監修者の福田繁雄(グラフィック・デザイナー)が寄稿。

『アフィッシュ・フランセーズ―現代フランスポスター50年の歩み』 アフィッシュ・フランセーズ展実行委員会, 2000年
*会期・会場:2000年8月22日(火)~9月17日(日), ヒルサイドフォーラム
*サヴィニャック作品15点(すべてポスター)を含み、フランスの作家による1940年代~1990年代のポスター102点で構成。
*多様な表現・技法のポスターを集め、図録テキストは、監修者のアラン・ヴェイユ(ポスター史家)、福田繁雄(グラフィック・デザイナー)が寄稿。

[教材]

  

『宇都宮美術館デザイン・キット deli.』[ワークシート&テキスト編], 宇都宮美術館, 2005年
*収蔵作品の約3分の2を占める「デザイン」について、この領域の作品を活用する「美術館教育プログラムの模索+教材開発」プロジェクトの成果物。28点のデザイン作品によるカード式のパンフレットで、着る、坐る、食べる、使う、見る、遊ぶ、識る、伝える、という8つのテーマに沿って、「デザインとは何か」を「Q&A」方式で分かりやすく具体的に解説しています。
*サヴィニャックについては、「伝える」(ヴィジュアル・コミュニケーション)の項目で取り上げ、《ビック:走る、走る、ビック・ボールペンが走る》(1951年。宇都宮美術館の作品タイトルは《ビックのボールペン 滑るようになめらか》)の画像(全2ページ)、「走る人やボールペンは、なぜ本物の写真ではないのでしょうか。さし絵でしか伝えることができないものは、何だと思いますか。」の問い掛けと、これに対する解説で紹介。
*コミュニケーション・デザインに関しては、「識る」(グラフィック・テクニック)の項目のなかで、ポスターの印刷技法(平版・凹版・孔版・凸版)も図解しています。

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